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ぼくらの頭脳の鍛え方

 立花隆と佐藤優が対談形式で教養書400冊を縦横無尽に切りまくる『ぼくらの頭脳の鍛え方』(文春新書)は、知的営みにおける読書の重要性を再認識させてくれる。

 どのページも興味深いが、特に面白かったのは、カントの評価(220頁)。立花氏は、ニュートン的な時間と空間の概念をアプリオリな前提としている点で、すでにカントの思想に学ぶところはないとの立場をとっているのに対し、佐藤氏は、現代科学がアインシュタインの相対性理論をいくら評価しようとも、社会のシステム自体は依然としてニュートン的世界観に根ざしているのであって、カントが提示した「アンチノミー(二律背反)に耐える」という考え方は、いまだ重要性を失っていないと主張している。

 最近の学生は、「どんな本を読んだらいいですか」と聞かなくなった。その理由が、本書のような骨太のガイドが揃っている点に求められるのであればいいが、そもそも本を読まなくなったことに起因しているとするならば、忌々しき問題と言わなければならない。

 

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